GOOD COFFEE FARMSが提供している、コーヒーチェリーの果皮をアップサイクルしたコーヒーチェリーティーです。カスカラティーとも呼ばれています。
コーヒーチェリーの40%を占める果皮の部分は、”Cascara”(カスカラ)と呼ばれていますが、大半は廃棄され、環境汚染を引き起こしています。しかし、実はカスカラは抗酸化作用のあるポリフェノールが豊富で、ブルーベリーやチョコレートよりも多く含まれています。
海外では北米を中心にカスカラをエナジードリンクやフレッシュドリンクに入れた商品や、化粧品への活用が始まっています。
GOOD COFFEE FARMSでは、環境負荷を削減しながらコーヒー農家に新たな収入源をつくるべく、日本でのカスカラの普及に力を入れています。
▶︎コーヒー豆の産地で発生するカスカラの環境問題・商品開発事例について
カスカラの素材としての魅力
●カスカラは「栄養・美容効果の高いスーパーフルーツ」
・抗酸化作用のあるポリフェノールが豊富で、その含有量はブルーベリーやチョコレートよりも豊富。
・カスカラを熱湯で抽出したティーのカフェイン含有量はお茶よりも少ない。
●海外ではトレンドに
・北米を中心にカスカラの商品化が進んでいます。エナジードリンクやリフレッシュドリンクが主流です。
・その抗酸化作用やアンチエイジング効果に注目が集まり、食品のみならず化粧品への活用も始まっています。
GOOD COFFEE FARMSについて
グアテマラのコーヒー生産者の多くは小規模で資金不足のため、生産性が低い上、複数の仲介・輸出業者を経由するために安値で販売せざるをえず、コーヒー栽培のみでは生活に必要な収入が得られずに離農する農家が増えています。
また栽培知識が不十分で農薬や肥料を不適切な方法で与えた結果、生産性の低下やコーヒーの木を枯死させてしまうといった問題も起きています。また、加工場ではコーヒー豆の精製過程において大量に発生する廃水・廃棄物によって環境汚染も引き起こされています。
そこで、グアテマラ出身のラミレス・メレンデス・カルロス・ロベルト氏が、自転車を使用した独自の精製処理の仕組みでそのような状況を変えるべく2017年にGOOD COFFEE FARMSを設立。環境負荷を減らし、トレーサビリティが確保された高品質のコーヒー豆を適正な価格で販売することでコーヒー農家の収入向上に取り組んでいます。
自転車の動力を利用した脱穀機を開発
世界の小規模なコーヒー農家においては、精製に必要な設備資金もノウハウもなく精製処理をすることができず、そのためコーヒーチェリーの実のままで販売するしかなく、低価格で取り引きされるため彼らが儲からない構造になってしまっています。
そこでGOOD COFFEE FARMSは、小規模コーヒー農家が収穫後の精製処理を行えるように、自転車の動力を利用した脱穀機(ドライ・バイシクル・パルピング・システム)を開発しました。
この脱穀機は水を使用しないため、コーヒーチェリーの糖分が水で流されず、通常より長い時間糖分が豆に吸収されます。その結果、コーヒーチェリー本来の甘みを感じることができるフルーティーなコーヒーに仕上がります。さらに、水・燃料・電気も使わずに果肉を除去することができるため、低コストで導入できることに加えて、環境負荷も減らすことができます。
同開発により、従来より課題となっていた大規模な精製手段の壁を打ち破り、環境問題の解決と小規模農家が参入できる枠組みを構築しました。
将来的にはグアテマラだけでなく、世界にもこの仕組みを導入しようと検討しています。
コーヒー豆のトレーサビリティーの確保
各農家が収穫した豆をバイヤーが1つに纏めてしまう場合がよくあり、いつだれがどこでどの様に生産したのかという製品追跡(トレーサビリティ)ができていない場合がよくあります。これでは、コーヒー豆のクオリティを確保することが出来ず、結果的に美味しくない豆が流通してしまいます。
そこでコーヒー農家と連携してすべてのプロセスをGOOD COFFEE FARMSを一気通貫で管理を行うことで、いつ誰がどこで何をしたかの今まで出来なかったトレーサビリティー(コーヒー豆の追跡)を実現し、各農家の品質向上に取り組んでいます。
農家一人一人の生産の知識習得や経験は、美味しいコーヒーの未来に繋がります。それぞれが自立し高品質なコーヒー生産が出来、彼らがしっかりと収益を得られれば、真のサスティナブルな(継続可能な)ビジネスの仕組みとして成り立ちます。